放課後雀タイム

西九条カレンです

中学卒業旅行記録 ばけーしょん

なりすましに気づいた僕が書いた小説です。

見事に文体が定まってないね

 

ちなみにこれ、ヤフーブログに載せたんだが、当時割とアルファ気味だったことや、首謀者がガ〇ジで有名だったことなどからわりと話が広まり、消したんですよね。

しかし、これまた古参のフォロワーで、ネットに強い陰湿なオタクくんが全文保存してくれていたので、再び投稿できます。ありがとう、陰キャ

 

 

ではどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

偽物語()


1
俺は人生3度目となる上京に気をはやらせていたのかもしれない。
中学生活も無事終わろうとする三学期、俺は親から上京の許しを得ていた。期末考査の勉強の合間にも旅行の行程を考え、関東住みのフォロワーとのオフも考慮していろいろ予定を聞いたりしていた。
俺は関東住みの数多いるフォロワーの中でも、そこそこ仲の良い、そしてそれなりに常識人を選んだつもりでいたのだが、しかしまさかあんなことになろうとはこの時の俺はまだ知らなかった...

2
中学三年三学期の終業式を終え、俺はその足で岐阜に向かった。
もちろんムーンライトながらに乗るためである。
上京は3回目だがこいつに乗るのは二回目だ。前回は真夏だったが今回は寒さが抜けない初春、寒さ対策は欠かせない。
「腹減ったな...」
岐阜について時間は21時過ぎ、さすがに晩飯を食わねば。
岐阜駅にはこれで何回目の訪問となるのかは分からないが、岐阜駅に併設されたチェーン店が並んだ棟は実にいい。
さてどこに入ろうか
よし、サイゼリヤにしよう
ここなら時間まで適当に時間を潰せるだろう。
「何名様ですか?」
「...一名です」
見て分からんのか。
案内された席に座り、ドリンクバーとペペロンチーノ大盛りを頼んで一息ついたところで予定の確認だ。
「明日はLとMとEと会うんだよな...」
この三人が誰かはわかる人にはわかるだろうが敢えてここでは触れるまい。
その後ツイッターをやったり本を読んだりして、ペペロンチーノも食い終わり、ドリンクバーで時間を潰そうとしたところで、
「お客様、高校生でございますか?」
「...ええ、まあ」
実際には中学三年生を終えたところなのだがまあいいだろう、春から春から華の高校生である。
「お客様、高校生の方の在店は夜10時までとなっております。」
「はあ」
まじか。
マクドナルドは深夜の1時でも居させてくれたぞ。
仕方ないのでサイゼリヤを後にし、駅のホームに出た。
「寒い...」
サイゼリヤのルールなのか、岐阜市のルールなのかは知らんが予定が崩れた。
このまま寒いホームで電車を40分待つのか、鬱だ...

3
東京に着いてからの動向は詳しくは書かなくていいだろう。めんどい。
ただ一応触れておくと、品川でながらを降りた俺は渋谷で田都線に乗り換え、各駅停車でちんたら中央林間まで行った後、小田急、相鉄を乗り継いで横浜に来たあたりで朝ラッシュの時間帯となった。
「さて横須賀行くか」
横須賀には軍艦を見に行く予定であったが、横須賀に住んでいるKと会うこととなり昨晩車内で予定を詰めていた。
彼とはマンツーマンで会うとはいえ一応服装や持ち物の確認をしていた。
今思えばこれはとても大切なことだったのかもしれない。

4
さっきからなにウロウロしてんだ。俺が言えたことではないが。
Kは外ではラインやツイッターが出来ないらしく、「今どこどこにいるんだけど」ができない。
いや、さっき電車から彼らしき人が降りたのはわかったが、なんと声をかければ...
実際俺はフォロワーとオフ会をするのはまだ二回目で、しかも前回はすでに学校の友達もいる中に便乗する形だったのでこんな形の出会いは初めてなのである。
向こうと声をかあぐねているのだろうか...
いや、ここは俺がいくしかないな
「なにをウロウロしてるんだ...」
「はは...」

〇〇さんですか?僕は△△です、といった普通の挨拶ができない俺ではあったが、こうして俺は第一歩を踏み出したのだった。

5
出会いはぎこちなかったが、そのあとは割とスムーズに事が進んだ。
横須賀駅前のヴェルニー公園を見て回り、いろいろ話は飛んだが様々な話をした。俺だってコミュ障ではないのだ。
彼の、房総半島を千葉半島と言い間違えたことを何度も弄ったり、彼のフィギュアの写真を何枚も撮ったり...
こうして俺の人生初の一人で挑むオフ会は無事成功したと言っていい。
予定の時間を大きく過ぎ、東京で待っている3人には悪いが、俺はこの横須賀での体験を素晴らしいものと思った。
もしかしたら、この体験から来た「オフ会楽勝やな」といった慢心が、あの惨劇を引き起こしたなかもしれないと考えれば、複雑なことこの上ないが...

6
時間を30分以上過ぎ、俺は待ち合わせ場所代々木駅に着いた
今度の三人はツイッターもラインも出来る。
今度はすんなり会う事ができた。
「わいがLや!」
忘れもしない。この挨拶
違和感を少し感じつつも流したこの挨拶こそが諸悪の根源であった

俺達は代々木から秋葉原へと中央線で向かったがEとはなぜか乗る車両が違い、イタズラ半分で俺達は御茶ノ水で降りて徒歩で秋葉原へ向かうこととした。
「E怒ってるなw」
我ながらなかなかこれもひどい所業だとは思うが、俺とMとLは和やかに会話しながら秋葉原へと向かった。


「...は?」
やたらと遅いと思っていたEだが、なんと勝手に人を呼んでいたのだ。
ふざけるな。こちとらあまり人が多いと逆に会話に窮すると思いわざと会う人数を減らしたのだ。実際、俺がこのオフの一週間前に京都であったオフに参加した時は5人だった。そのせいでほらみろ、全然会話が生まれない。
俺はこの事件の一因に、Eがこの「勝手な増員」をしたことがあると思っているが、本人は素知らぬ顔である。少しは責任を感じろ。

結局俺は御茶ノ水から喋っていた三人でずっと会話していた。
秋葉原で買い物を済ませた俺は、いい加減この大所帯に辟易していた。
はやくここを抜け出したい。
相変わらず三人と、Eが読んだ人々との塊にすっかり分かれているこの団体だが、俺が虎ノ門に行くことで解消した。E達はE達で続きをやっていたみたいだが知るかんなもん。

Mとは別れ、俺とLは虎ノ門に向かった。
俺が金刀比羅宮に行くためだ。
そこで朱印の話をしたりして、浅草に向かった。


7
浅草で俺達は愚かにもカラオケに行った。
このカラオケに行くという選択は俺をさらに貶めることとなった。
もうお気づきだろうが問題はこのLである。
このLはLではない。だが彼はツイッターアカウントもLに見えるよう細工をしていたのだ。
後日騒ぎを聞きつけた俺の友人が、俺がそのLになりすましたアカウントに「また遊ぼう」的なリプを送っているスクショを見せて、「なんで騙されたんや」と言っていたのだが、その時はまだ細工をしたままだったのだろう。全く陰湿である。
そう、俺はこのカラオケで彼のツイッターアカウントを見たのだ。

俺達はカラオケを出ると、Lの誘いで浅草のレトロな地下街へ来た。
その地下街に興奮する彼を見て、俺は特に不思議に思わなかった。
廃線巡りを趣味にするLが、こういう雰囲気の場所を好むのも無理はないと思った。
俺達は浅草の地下街を抜けると臼井に向かった。これは俺の要望である。
そして俺達は臼井で別れた。
彼は最後まで自分の正体を明かさなかった。これは俺の失態であると同時に、彼をなりすまし要員に抜擢した本物のLの人選ミスといえよう。
俺はなにも知らないまま呑気に大阪へと帰り着いた。
そして種明かしが始まる...

8
皮肉なことに事件発覚はこのブログをきっかけに始まった。
桜の開花が迫る中、俺はこの旅行の記録をブログにまとめていった。
その中、ちょうどLとカラオケに行ったくだりの記事を見たL本人が、「これ俺じゃない」と言ったのだ。
ここからLにSという人物がなりすましていたことがわかった。
そこからはひどい有様だった。
今思えば随分TLを見苦しくしてしまい申し訳無かったと思う。
ただSの言い訳は酷かった。
自分は関西にいないと頭がおかしくなる、とか、なんで悪いこととわかっていながらやってしまうんだ、とか、いつも人に迷惑を云々、とか。
いや知らんがな。
なんでこっちが被害者やのにお前の病みアピールなんぞ見なあかんねん。
次第には、騒ぎが大きくなることに対する被害者意識まで芽生えたようで、そうしたSの態度に俺の怒りは頂点に達していた。

9
事件はあっけなく終わった。
要領を得ないSよりもLからの説明はわかりやすかった。
Lは待ち合わせに遅れそうだったらしいが、俺達がオフ会をすることを聞きつけたSが俺に断りもなくオフ会に参加したいとLに言いだし、ならついでに間に合わない自分の代わりにLのフリしてよ、とLがSに言ったらしい。
こうして代々木駅で俺の前に立ったのはLではなくSだったのだ。
前述した「わいがLや!」という名乗りは、むしろ「自分はLではないよ」という意味だったとSは言っていたが、牽強付会にもほどがあるだろう。
LはSに、「必ずネタバラシをするよう」言い含めていたようだが、Sはネタバラシをしなかった。S曰く、「まさか君が騙されているとは思わなかった。」
ふざけるなよ。
結局Sは具体的に謝罪することなく、アカウント閉鎖や活動自粛などを自罰として決めたらしく、それを「自分悪いことしました、反省してます」アピールとしたみたいだが、お前は芸能人か。
お前のアカウント閉鎖や活動自粛が如何程のものなんだ、それよりごめんなさいをちゃんと言えよ。
俺は納得いかなかったが、Sはアカウント閉鎖により逃げた。
Lからはきちんと謝罪があり、そちらは普通に許した。
こうしてこの事件は終わった。
あっけなく、と言ったが、事件発覚から収束までは2日を要した。

10
後日談、というか今回のオチ。
俺はなりすましをされたことが案外ショックで俺の方がアカウント閉鎖しよかな、と思ったくらいだったが、まあこれネタにできるんじゃね、という芸人精神により復活した。
俺はこれからはオフ会はしない、もしくはさらに警戒してしようと心に決め、そんなことをツイートしたり記事にしたりもした。
随分簡単にまとまったものだ。
9のあたり、つまりSと俺がリプライ合戦をしたあたりは本当に酷かったものだ。こんな一言ですむようなものでもなかったが、今ここに全部を載せる必要もないだろうしそこまで覚えていない。
なりすましをされたこと自体はネタにできる話でも、Sのマジで頭おかしい言動はネタにはしづらい...
こうしてまたこの話が日の目をみるとは思わなかった。
書ききるほどに書いたのでもうこれ以上この件について書くことはないだろう。

カン!

 

 

 

 


この物語はフィクションです。
実在の人物とは関係ありません。
このお伽話を読んで、ネットの怖さ、オフ会の怖さが伝わればいいな、と思います。
稚拙な文章にお付き合い頂きありがとうございました。

もいっこカン!

 

 

いかがでしたでしょうか。

そこらへんのssよりは読み応えあったんじゃないですか?

とにかく、みなさんもオフ会には気をつけましょう!


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